黄櫨染の染色科学
黄櫨染は天皇陛下のみが着用することを許されている、ハゼとスオウの重ね染めによって染められた黄色味のある茶色のことである。
天然染料が化学染料の発展により衰退してしまったこと、天然染料により表現される色は多岐にわたるなかで黄櫨染は色の表現に関して解明されていない点が多くあること等を知り、黄櫨染について科学的な視点で色の特性を理解し再現することを試みた。
ハゼの主要黄色色素であるフィセチンをハゼの代替として使用し、溶解性の観察、多繊交織布に対する染色、文献に倣った順および逆順での重ね染めを行った。
論文、パネル、梗概